葡萄畑5月 結実

開花と結実(5~6月)

開花

5月になり展葉期を迎えると、ブドウの樹は一気に成長の速度を速めます。芽からは新梢と呼ばれる今シーズンの葉や実をつける枝がどんどん成長していきます。


新梢が出始めたらまずその生育状態と速度を観察し、剪定時に想定した場所や数以外の芽や枝を切り落とし、新梢を仕立て想定した方向に伸びるように位置を調整します。これを「新梢誘引」と言い、どんどん伸びる新梢をワイヤーなどで固定し、まんべんなく日光が当たるように日々調整しながら配置をしていくのです。


そして6月頃には白~薄黄色に近い色の花を咲かせ、この花がきちんと受粉するとブドウの実ができます。


この時期に雨や風、低温が続くと、花が咲いても受粉がうまくいかずに実が落ちてしまう「花ぶるい」という状態になり、結果として収量が落ちたり同じ果房の中でも果実によりばらつきが生じてしまいます。

ヴェレゾン~成熟期(7~9月)

ヴェレゾン

6月頃に開花し結実した実は、照り付ける太陽のもと肥大し成熟していきます。


その頃から赤ワイン用品種では実の着色が始まります。この着色のことを「ヴェレゾン」と言います。


そして結実後の房がそろうと、収穫量の見積もりができるようになり、樹や房を確認しながら収量の調整に入っていきます。


この収量調整を「摘房(=グリーンハーベスト)」といいます。具体的には、新梢の葉の枚数、房の数と大きさのバランスを見て余剰な房を切り落とす作業です。


グリーンハーベストを実施するかどうかは生産者によりますが、一房当たりにより多くの栄養を与えるために実施されることが多く、日光のあたり方を調整したり、カビなどの衛生的事情での発育不良を防ぐためにも行われます。


ブドウの粒の表面には、ワックスのような成分がありある程度の病気から守れるようになっていますが、それでも雨などで過剰に水分がつくと病気のリスクが高まるため、産地によっては房や葉に雨除けを実施することも。


また、果実が成熟していくと、昆虫や鳥類をはじめとした生き物によって実を食べられてしまうこともあるので、その対策も必要となり生産者にとって多忙な日々が続きます。

収穫期(9~11月)

ブドウを収穫する様子

果実が完熟したらいよいよ収穫です。


品種にもよりますが、ワイン用のブドウ品種の多くが9~10月頃に完熟し、収穫を迎えます。


収穫のタイミングは、ブドウの品種や生産者のこだわりによって様々ですが、日々品種の果汁の糖度、酸の量、種に含まれるタンニンの状態、アロマや色付きの状態、健康状態などの様々なポイントを確認しながら決定されます。


収穫方法には手摘みと機械収穫があり、ともに利点がありますが、高品質ワインの多くは手摘みされています。手摘みの場合は、ワイナリーによりますが、10名を超える人々の手により一房一房の状態を見ながら丁寧に収穫されます。


こうしてたくさんの手間暇をかけて収穫まで至ったブドウは、ワイナリーに運ばれ仕込みへと入っていくのです。